ティラミスの語源は「私を元気づけて」だそうだ。
コンビニで買ったデザートティラミスを食べながら、私はまさにそんな気分だった。
こういう時、一人暮らしの部屋はやけに広く感じる。
といっても、1週間くらい前までは、熱く恋しあった彼と一緒にすんでいた。
残されていった小物などもほとんど処分し終わり、彼が去ってしまったということにもようやく現実感が出てきたころだ。
どうしてこうなってしまったのか、という考えはいつも私を悩ませてくるが、そういうことは考えても仕方のないものだいうのが持論だ。
しかし、今回ばかりはさすがの私にも辛いものがある。
なにせ、”若さゆえ”、とはいえ、「もうこの人しかいない」と思うまで愛した人だ。
さっさと切り替えられるはずもなく、かといって考え込むのも性にあわず、そのやるせなさが、他の色々な問題も引き起こしていた。
他の問題の詳細はここでは省くこととするが、まあ、会社の人間関係であったり、ミーティングブッチしちゃったり、外に出ることが減ったり・・・ああ、彼がいないと、私はこんなにもさみしい女。
この気持ちにどうやって折り合いをつければいいのか、私にはわからなかった。
「君はほんとに楽観的だよね」
出会って間もないころ、彼にそう言われたことがある。
その通り、私は、持ち前のポジティブさで大体のことは乗り越えてきた。
でも、いまはそんなに楽しくいられないみたい。
ああ、誰か私を元気づけて。
デザートティラミスは美味しくて、私は久しぶりに泣いた。
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